厚生労働省は一定の収入がある高齢者の厚生年金を減らす在職老齢年金の制度を見直し、減額の対象者を縮小する調整に入った。高齢者の手取りを増やすと同時に、働き控えを是正して人手不足対策につなげる。年金財政を安定させるため、厚労省はあわせて高所得の会社員の保険料負担を引き上げる案も検討する。25日に開く社会保障審議会(厚労相の諮問機関)年金部会で提案する。与党との調整を経て年末までに方向性を固め、年明けの通常国会に提出する年金制度改正の関連法案に盛り込む。
在職老齢年金制度は賃金と厚生年金の合計額が月50万円を超えると、厚生年金が減額または支給ゼロになる仕組みです。この仕組みがもう古くなっています。高齢者の働く意欲がそがれ、減額基準に該当しないように労働時間を抑える制度だとの指摘がある。少子高齢化の加速もあって人手不足は深刻なので、ぜひ見直しして欲しいところです。厚労省は減額が始まる基準額について、現行の50万円から62万円や71万円に引き上げる案を検討する。(文面参考:日経新聞)
在職老齢年金の最もダメな点は、現行制度でいうと
①給与と年金の合計額が50万円を超えると、その超えた部分の1/2が支給停止になる。
②その支給停止の額は年金繰り下げできない。
私的に②を知らない人が多いと思います。繰り下げして、70歳くらいまでガンガン働いて給料を稼いだとしても、繰り下げできない年金部分があるわけで、将来的に割増で年金がもらえると思っている高齢者がいたとして、その時になってもらえないってことになります。
ここを見直さないと、言い方悪いですが「優秀でビジネス感覚がある高齢者」の働く意欲は削がれる可能性が高いです。日本の労働市場にはとても痛手だと思います。
103万円の壁や106万・130万の壁問題にしても、昭和の良き時代の名残です。今割令和6年。ちゃっちゃと今風に改定していってほしいものです。自民党の長き政権では変えられなかったのでしょうが、今なら改革できます。
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